Tuesday, January 13, 2015

ゆきさんとの日々

カストロ地区、ボーダーのない場所(San Francisco, USA)

カナダへ行くと決める前のはなし 3 でも示した通り、
ゆきさんと知り合ってから数年の時が経って、私はゆきさんと実際に肉体的にも会うこととなった。
その連絡をするときは、とにかくドキドキしていたが、同時にワクワクしていた。

どうなるんだろう! 想像がつかなかった。

その頃までには、ゆきさんとはブログだけではなくってFacebookでもつながっていたとおもう。なんだか、今考えると… ストーカー(!)みたいだけど、ゆきさんをFacebookで見つけて友達申請までしてしまったのだから、私って意外に大胆だな。

当時は、まだFacebookが今ほど日本で浸透していない時期だった。


ゆきさんに連絡をした時、メールで「是非会いましょう!とても楽しみ〜!」っというメールが来たことを覚えている。
私のココロは、告白した後にOKをもらった少年みたいだった。

何度かゆきさんと連絡をとり、待ち合わせ場所を決めた。私が着いた日の夜、私が泊まるユースホステルのロビーで待ち合わせることになった。


緊張に包まれて一人出国し、初の10時間以上のフライトで、サンフランシスコに着いた頃はかなり疲れていた。必死でホステルまでいけば「チェックインは14時からだよ」と、1時間以上待たなければいけなかった。

なんとか時間をつぶしながら、最終的には公園でただただボーっとしていた。
疲れと眠気がひどかった。
「今夜ゆきさんに会えるかなぁ…」と心配になったほどだった。

チェックイン後、通された部屋のベッドに横になってすぐ眠りにつき、起きると3時間くらい経っていた。驚いたのは、信じられないくらいに元気になっていたこと。
待ち合わせの時刻にもゆっくり間に合って、私は寝ぼけまなこでロビーに座っていた。そしたら一人の女の人がガラス越しに笑顔で私に手を振った。

ゆきさんだった。

初めて会ったけれど、初めての感じがなかった。「はじめまして」というのも何だか不思議だった。ゆきさんの笑顔はとびきりだった。

「おもった通り、綺麗で軽い感じの人だ!」

と言われて、私は照れた。

モール地下のフードコートでその日は夕食をとった。
私は、実は「ゆきさんって本当に居るのかなって思っていたんだけど、居ました。」っということを伝えた。
ゆきさんは アハハ!! っと笑っていた。

ゆきさんと話していると、小さな女の子と話しているみたいだった。
「なんか、ゆきさんって小さな女の子みたい。小さな女の子とおしゃべりしてる感じです。」っと言うと、再び可愛く笑っていた。

その日から毎晩のようにゆきさんに会って、一緒にごはんを食べた。
ある日は、朝6時くらいから朝日を見ようと一緒にコイトタワーという小高い場所へと向かい、その日は一日中一緒の時間を過ごした。


色んな話をしたと思う。
魂の話もたくさんして、ゆきさんの経験も直に聞いて、そして自分の話もした。
自分自身の話をして行くうちに、 あっ... と『気付く』ことも多かった。
あっ...! と、ピコーンと電球が光るようなあの感覚だった。

いじめを体験している時も、大学を辞めてヘトヘトになっているときも、
私の傍にいつも居てくれた存在、それが魂だったことに気づいた。
そして、大切なものを教えてくれていたことに気づいた。
ここではない何処かを想う自分にも理由があったことを知った。

涙が流れてきた


昼ごろまではホステルでダラダラして、日中は一人ぶらぶらと歩きまわって、夜は一緒にお店を見て回ったり、ご飯を食べたりして時間をシェアするというのがサンフランシスコでの日課だった。

そしてもう一つの日課が、毎晩お別れのときにハグ(チャージ)をすることだった。
文化的なこともあってか、最初は結構照れてたのだけれど、次第に毎日しないと気がすまなくなってる自分に気づいた(大笑)。

私は、この旅はゆきさんに会うための旅だ っと確信した。
もちろん、私はそれを伝えた。
ゆきさんのお母さんも、一人でゆきさんにサンフランまで会いに来たらしく、二人目だ〜!っと笑っていた。



私たちは、おソロいのTOMSの靴を買った。

そして、もしかしたらそれは最後の夜だったかもしれないけど、おソロイの靴をお互い履いてお出かけした。足どりは軽やかで、ステップを踏んでいるようだった。
歩いたのはカストロ地区という有名なゲイタウンで、虹の旗が印象的なところだった。花がいたるところに飾られていて、とてもきれいな、とてもかわいい街 っという印象だった。

「きっと、手をつないでたら、皆わたしたちのこと同性愛者と思うだろうねぇ!おソロイの靴だもん!」っとキャッキャッしながら歩いた。


ボーダー(境界)を感じない場所だった。
鳥と人間のボーダーすら感じられなかった。私たちがスズメのすぐ近くを通っても彼らはゆったりとしていた。自然だと感じられた。



ゆきさんとは、その夜ビッグハグをして解散した。
また会うならば、次はどこでかなぁ。また会う気がするなぁ。 と話しながら。

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