高校受験前の夏、夏期講習に精を出していた頃だった。私たち家族はお葬式のために鹿児島へ向かった。
鹿児島に着くと、祖父母家へ向かう途中豪雨にあった。前が見えないほどの土砂降り雨で、父も母も「誰か連れて行こうとしとるかな。」などと言っていた。
運転していない私たちも怖かったのだから、運転者の父親はよほど恐ろしかったと思う。
運転していない私たちも怖かったのだから、運転者の父親はよほど恐ろしかったと思う。
気をつけてきてね
親戚一同でそんな声を掛け合い、私たちは無事に集まることができた。
祖父母家に着くと、病院から家に帰ってきていたおじいちゃんが横たわっていた。静かに。いつもと違うのは、起きることはないことと、鼻に詰め物があることだった。
真夏の暑い日、初めての体験だった。
お通夜前、みんなが早朝あるいは夜に出て午前中に祖父母家に到着というスケジュールだったので疲れていたんだろう。
そして、よほど何もすることがなかったのか、おじいちゃんを囲んで10人くらいで昼寝をした。叔母さんはおじいちゃんのすぐ横で寝ていた。
ふと目が覚めると、おじいちゃんの身体の周りにスヤスヤ眠るみんなが見えた。わたしは笑った。
おじいちゃんが起きることないなんて信じられないなと思った。
おじいちゃんが起きることないなんて信じられないなと思った。
鹿児島のおじいちゃんと過ごした記憶はあまりない。あぐらをかくおじいちゃんの膝に座った覚えがあるくらいだった。
それは、葬儀のときだった。
大声量のじいちゃん僧侶が、叫ぶように歌うようにお経をあげていた。
そんな大音量お経にもかかわらず、私は居眠りをし、椅子ごと倒れそうになった。
横にいた兄は私の足を蹴った。
その後も眠さは止まらない。
ようやく(苦笑) 献花の時間になって、棺桶の中に横たわるおじいちゃんの周りをお花でいっぱいにした。
私はひとりでおじいちゃんの頭らへんに立ってお花を入れていた。さっきまで寝てたくせに、涙を流すお調子者だった(笑) おじいちゃんが死んじゃったのか…しみじみ思っていたら、突然おじいちゃんが瞬きをした (!)
絶句し、涙も止まった。
横で花をあげていたおばさんたちが「いま瞬きしたネェ…」と泣きながら言っていた。
本当に瞬きしたというよりも、おじいちゃんの身体の上で、半透明のおじいちゃんが瞬きをした感じだった。
でも、間違いなく。
おじいちゃんは、身体を去ったらしかった。
魂が旅だったんだ と、私は現象を理解していた。
もしかしたら、おじいちゃんは身体はカラダということを見せてくれたのかもしれない。おじいちゃんの魂がふわりと体を離れて、次の旅へと向かっていくところに立ち会わせてくれたのかもしれないと、たった今感じられる。
わたしは、そのことをステキな心霊体験として位置付けた。
長らくその話を家族にすることはなかったんだけど、最近になって実はね…と家族に話したら
は?!
と父も母も本当に驚いて笑っていた。
「なんで早く言わんかったとね〜」
むしろ怒られてしまった(笑)
むしろ怒られてしまった(笑)
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